ホーム > お茶の効能研究成果集 > 最近の緑茶の効能研究成果 成分別
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研究機関、 研究者名 |
分類 | 要旨 | 概要 | 発表時期 発表学会 論文等 |
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京都大学再生医科学研究所 玄丞烋准教授 松村和明特任助教 大阪大学産業科学研究所 開発邦宏助教 |
動物実験 | カテキンの主成分に化学修飾を加え、がん細胞の増殖抑制効果を高めることに成功。 | カテキンの一種で抗ウイルス作用があるとされるFGCGに化学修飾を加え、化学的に不安定で分解されやすい、細胞膜に結合しにくい、などの課題を改良した。改良型のEGCGはがん細胞に対する毒性が通常細胞に対する毒性の5倍高く、がん細胞をアポトーシスに導いていた。がん細胞を植え付けたネズミを使用した実験では、改良型EGCGを2日おきに3回投与し、1か月後の観察で、投与した群は投与しない群に比べ腫瘍の大きさが10分の1にとどまった。 |
2008.11 |
岐阜大学医学部 清水雅仁助教 森脇久隆教授 |
臨床試験 | 緑茶カテキンを含む錠剤を飲み続けることで大腸ポリープの再発が抑えられる | 大腸ポリープを内視鏡で切除した125人のうち60人に緑茶錠剤(3錠=1.5g)を毎日飲んでもらい1年後に再検査したところ再発率は15%と、飲まなかった人31%に比べ低かった。 | 2008. 10.28 日本癌学会 |
(厚生労働省研究班) 津金昌一郎予防研究部長 井上真奈美室長 |
疫学調査 | 緑茶に含まれるECGの血中濃度が高いと、女性では胃がんにかかるリスクが最大で7割程度抑制できる。 | 全国3万7千人を対象に12年間追跡し、胃がんにかかった人とかからなかった人の血中カテキン濃度を比較したところ、ECGの血中濃度が最も高い女性のグループは、もっとも低いグループと比べ胃がんにかかるリスクが7割以上低かった。 |
Cancer Causes Control 2004年 15巻 |
(厚生労働省研究班) 津金昌一郎予防研究部長 |
疫学調査 | 緑茶を良く飲む男性は前立腺がんになるリスクが低くなる。 | 9府県の40~69歳の男性5万人を対象に12年間調査した結果、緑茶を日に5杯以上飲む人は一杯未満の人と比べ進行性前立腺がんになる率が50%下がる。 |
Am J Epidemiol. 2008年167巻 |
米国ルイビル大学 デヴィッド・ゴザール教授 |
動物実験 | 睡眠時無呼吸症により脳が酸素欠乏となり学習や記憶に障害をきたすことを、緑茶成分が予防する。 | 断続的に酸欠状態においたラットの一方のグループには緑茶成分を含む水を与え、もう一方には水を与え、「水迷宮」により学習機能の試験をしたところ、緑茶成分を与えたグループの方が成績が良かった。 | American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌 5月15日号 |
静岡県立大学薬学部 海野けい子准教授 |
動物実験 | 緑茶カテキンが脳の老化予防又は遅延により高齢者のクオリティオブライフを高める。 | 緑茶カテキンを含有する水を飲んだマウスは、学習や記憶などの老化に伴う認知機能の低下が抑えられた。カテキンの香酸化作用によるものと考えられる。 | 2007.11 ICOS2007 (国際O-CHA学術会議) |
女子栄養大学 鈴木平光教授 |
疫学調査 | 魚と茶を一緒にとると記憶力向上や認知症予防が期待できる。 | 平均85歳の高齢者30人を対象に半数にDHAとカテキン抽出物を食事に混ぜて摂取してもらい6か月後に記憶力や言葉を話す能力について調べた結果、摂取したグループでは「改善」8、「変化なし」7に対し、摂取しなかったグループでは「改善」5、変化なし7、「悪化」5だった。 | 第15回 脂質栄養学会 2006.9.1 |
東北大学医学部 栗山進一准教授 |
疫学調査 | 仙台市内の高齢者を対象に、緑茶の摂取量と認知機能評価の結果を解析したところ、1日2杯以上緑茶を飲む人は認知障害になりにくい傾向がある | 仙台市の70歳以上の2,730人に生活習慣や認知能力を調査した結果、緑茶を飲む量が「週3杯以下」のグループが認知障害に陥った率を比率を1.0とした場合、「週4~6杯」は0,62、「1日2杯以上」は0.46と低かった。 | Am J Clin Nutr 2006 |
埼玉医科大学 森隆教授 米国サウスフロリダ大学 |
動物 実験 |
緑茶成分のエピガロカテキンガレートにアルツハイマー病の発症を抑える作用がある。 | 人のアルツハイマー病を再現したマウスなどの実験で緑茶の渋み成分の一つ「エピガロカテキンガレート(EGCG)」に、アルツハイマー病の原因物質とされるベータアミロイドが脳内でつくられるのを抑える作用があることを発見した。 | 2005.9 |
富士常葉大環境防災学部 池田雅彦助教授 |
動物実験 | 緑茶を飲むと血圧の上昇がゆるやかになり脳卒中の発症をおくらせる効果がある。 | 加齢により脳卒中になる系統のラットを、カテキン含有水を飲ませるグループと水を飲ませるグループに分け、血圧や脳卒中発症を調査した。この結果、カテキン含有水を飲ませたグループでは脳卒中発症が10日遅く、血圧上昇も穏やかだった。 | 2007.2 メディカルサイエンスモニター (インターネット上の医学誌) |
静岡県立大食品栄養科学部 吹野洋子教授(現常盤大教授) |
疫学調査 | 緑茶を1日7杯程度飲むことで糖尿病になりかけている人たちの血糖値が改善することを発見。 | 糖尿病一歩手前(境界型)などに該当する60人を、実験用の粉末茶を毎日飲むグループと飲まないグループに分け2か月後の血糖値を測定。「HbA1c」という指標で血糖値が、飲んだグループは6.2%→5.9% 飲まないグループは変化がなかった。カテキン摂取量が影響したと思われる。 | 2008.10 |
大阪大学医学部 磯博康教授 |
疫学調査 | 緑茶を1日6杯以上飲むことで、ほとんど飲まない場合に比べて糖尿病の発症リスクが3分の1程度になる。 | 40~65歳の男女を追跡調査したところ444人が糖尿病を発病。緑茶の飲用量と糖尿病の発症を調べたところ、1日6杯以上緑茶を飲む人は週1杯未満の人と比べ発症リスクが33%低かった。 | Ann Intern Med 144,544(2006) |
東北大学医学部 栗山進一准教授 |
疫学調査 | 緑茶を1日5杯程度飲むことで脳梗塞になるリスクが低下する。 | 宮城県内の40~70歳の男女4万500人を追跡調査した結果、循環器系の病気による死亡リスクは緑茶を多く飲む人ほど低下し、脳血管障害では、緑茶を1日5杯以上飲む人は1杯以下の人と比べ男性は35%、女性では42%低下した。 | JAMA(米国医師会雑誌) 296(10),(2006) |
花王(株) 高妻和哉 |
疫学調査 | 多量のカテキンを含む飲料を毎日飲むことで内臓脂肪や血圧の低下がみられた。 | 240人を2グループに分け、茶カテキンを若干含む飲料と、580mg含む飲料を3毎日340mlずつ12週間、それぞれ飲ませたところ、茶カテキン摂取量の多いグループでは、内臓脂肪の減少、血圧の低下、悪玉コレステロールの減少がみられた。 | Prog Med.,25 (7) ,1945 (2007) |
静岡県掛川市立総合病院 鮫島庸一副院長 |
臨床試験 | 難治性C型肝炎の治療時に粉末緑茶を一緒に摂取することが有効である。 | 難治性C型肝炎の最も標準的な治療方法である「インターフェロン」と「リバビリン」の投与に加え緑茶粉末を服用したところ、9人中5人でウイルスが消滅し完治した。標準的な療法での完治率は10~20%であることから、緑茶併用は効果的と考えられる。 | Kanzo 46-suppl.2,A349 (2005) |
研究機関、 研究者名 |
分類 | 要旨 | 概要 | 発表時期 発表学会 論文等 |
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ツムラライフサイエンス (独)野菜茶業研究所 |
動物実験 | メチル化カテキンを多く含むべにふうき茶エキスの塗布によりアトピー性皮膚炎のかゆみなどを抑制する。 | アレルギー症状を持つマウスを利用し、べにふうき茶エキスを塗布することで、アレルギーによるPCA反応を有意に抑制、点鼻することで鼻炎によるくしゃみ回数を有意に抑制した。 | 2008.3 日本薬学会第128年会 第7回産学官連携推進会議 |
国立三重病院 藤澤隆夫部長 (独)野菜茶業研究所 |
臨床試験 | メチル化カテキンを多く含むべにふうき茶エキス入りクリームの塗布によりアトピー性皮膚炎の症状を抑制する。 | アトピー症状をもつ子ども28人に、べにふうき茶エキスを含むクリームを塗布すると、含まないクリームを塗った場合に比べ、ステロイド外用剤の使用量が減った。長期使用(6か月)後のアンケートでも「大変良い」が半数を以上であった。 | 2008.4 シンポジウム 「新しいカテキンの力」 |
研究機関、 研究者名 |
分類 | 要旨 | 概要 | 発表時期 発表学会 論文等 |
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(株)伊藤園中央研究所 大阪市立大学大学院医学研究科 片岡洋祐講師
米田幸雄教授 |
疫学調査 動物実験 |
テアニンは脳の神経細胞が生まれるのを促す働きがあり、認知症予防が期待できる。 | 老人保健施設入所者に緑茶粉末入りカプセルを毎日2g摂取してもらい、1年後に認知症のテストを行ったところ判断力の低下が抑えられていた。 | 2007.3.26 日本農芸化学会2007 |
太陽化学(株) | 疫学調査 | L-テアニンは交感神経を抑制し副交感神経を亢進する作用があることを確認した。冷え性への応用の可能性がある。 | L-テアニンの自律神経系への影響を検証したところ交感神経を抑制し副交感神経を亢進する作用が確認された。またサーモグラフィによる冷水負荷試験でもL-テアニンによる皮膚表面温度の回復促進効果を確認した。 | 2007.5 第61回日本栄養食糧学会 |
研究機関、 研究者名 |
分類 | 要旨 | 概要 | 発表時期 発表学会 論文等 |
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北海道大大学院医学研究科 神谷温之教授 |
動物実験 | カフェインが脳の神経回路の情報伝達を高める動きがあることをマウスで発見 | マウスの脳の切片にカフェインを振りかけ、受容体を刺激すると神経細胞のカルシウム濃度が上がり情報伝達が増強した。 *脳に直接投与=経口摂取での実験ではない。 |
2008.8 米科学アカデミー紀要電子掲示板 |