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2024年 O-CHAパイオニア賞

茶に関する学術研究、関連産業、文化の更なる発展に寄与することを目的とし、優れた学術研究や振興、発展に寄与した産業技術、茶のある豊かな生活文化の提案、消費拡大等の優れた成果を、公益財団法人世界緑茶協会が顕彰しています。23回目となる2024年は下記のとおり決定いたしました。

2024年 O-CHAパイオニア賞 各賞受賞者

【学術研究大賞】

茶に係る優れた学術研究成果

受賞者 (個人)

原 征彦茶研究・原事務所 株式会社

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受賞タイトル

茶カテキンの精製・製品化と機能性の研究及び新世代茶飲料の開発

概要

三井農林(株)入社後、茶の主要成分のカテキン類に着目し、その生理活性を解明するとともに、大量抽出、単離精製法に関する技術を開発した。さらにカテキンを用いたがん予防試験や製薬化にも尽力した。同社退職後は、静岡県・静岡市地域結集型研究開発プログラムの企業化統括として次世代茶飲料等の開発をリードした。50余年に渡り茶の研究に携わり、世界の牽引役として活躍し多くの成果を上げた。

 

【産業技術大賞】

茶の生産や消費に関する優れた技術や商品等の開発

受賞者 (個人)

石川 哲雄いしかわ製茶

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受賞タイトル

幾多の苦難を乗り越えて日本初のオーガニックてん茶を実現

概要

急逝した父の後を継ぎ、大学を中退し茶農家になった氏は、当時主流だった強力な農薬を多量に使用する農法に疑問を感じ、農薬を使用しない茶栽培ができないか模索。長年の苦労と周囲の反対の中でも信念を貫き、てん茶農家初の民間有機認証を取得。その後有機JAS認証も国内初取得。周囲の茶農家にも農薬不使用有機茶栽培法を惜しげなく広め、組合管区全体の有機茶園化へ尽力。自身の農法を隠さず教授する氏は日本の有機てん茶のパイオニア。

  

受賞者 (個人)

  後藤 昇一( 静岡茶輸出拡大協議会/有機栽培推進コーディネーター(R5))

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受賞タイトル

率先して茶業界の先端的難事業に取り組み成果を上げた

概要

富士山静岡空港開設にあたっての大規模茶園造成実証試験の実施、茶有機栽培技術の普及、困窮する茶産地の維持発展のための茶業活性化に向けた技術指導や人材育成、ChaOIフォーラム・コーディネーターとしての活動と実績、また静岡県の有機栽培推進コーディネーターとしての引き続きの活躍ぶりなど、現場に寄り添い課題解決にまい進されてきた後藤氏の足跡は極めて大きい。

 

【O-CHA特別大賞】 

茶に関する国際的な貢献や日本茶の普及等に係る優れた成果

受賞者 (個人)

杉本 充俊( 日本茶インストラクター協会/顧問)

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受賞タイトル

日本茶普及、啓発とそのための日本茶資格制度確立

概要

静岡県経済連の茶業部長、第1回世界お茶まつり東京事務局長を経て、日本茶インストラクター制度の発足に尽力。日本茶インストラクター協会を設立し、NPO法人化し専務理事に就任。就任中は日本茶インストラクターや日本茶アドバイザーの活動を積極的に支援し、全国に資格者を増やしていった。その後も「こどもお茶小事典」の編集長や日本茶輸出促進協議会の事務局長等として、長年に渡り日本茶普及啓発活動を行ってきた。

 

 【CHAllenge賞】 

茶の将来を牽引するような意欲的な取組み

受賞者 (団体)

 岡村 龍男(豊橋市図書館/学芸員)、 菊地 悠介(川崎市市民ミュージアム/主任学芸員)

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受賞タイトル

民間所蔵の古文書調査による茶産業遺産の保存と研究発展への貢献

概要

散逸の危機にある近代輸出茶業に関わった茶業者個人所蔵の史料を今後の研究のために目録を制作するという地道な作業を続けてきた。両氏が道筋をつけてくれた事例は、高齢のため廃業を予定し、史料の処分を考えている茶業者に、地域の産業遺産としての意識を持たせ、調査の依頼をできる場があると示した。自分の研究だけでなく他分野の研究者にとっても活用できるようにすることで、茶業史研究にも大きな貢献となっている。

   

受賞者 (個人)

  本間 節子(お菓子研究家)

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受賞タイトル

多彩な日本茶スイーツレシピの開発・提案

概要

日本茶インストラクターとして例年開催されている日本茶アワード「東京ティーパーティー」の運営にも大きく貢献している氏は、お菓子研究家としても多くの著書を持つ。日常で楽しむ日本茶を、お菓子を通して人に伝えることをライフワークとし、日本茶を使った様々なレシピを自身の教室や雑誌、書籍で提案。お茶に対して研鑽がなされている彼女の具体的な提案は茶業者にとって有難く、特にこれからの茶業界に必要なこと。

  

受賞者 (団体)

  Koto Tea Space(代表: Danittha Limakaraungkul)

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受賞タイトル

「Koto Tea Space」を通じたタイで本物の日本茶を伝える活動

概要

「Koto Tea Space」は茶愛好家たちが集い、日本茶を学び、情報を共有し更に探求する場であり、通常のお茶カフェとは異なる空間となっている。ここでは、①品質②知識③関係性の3つが重視され、一杯のお茶の背景にある日本の歴史や文化、自然、茶生産者の努力にも触れられる体験を提供できるようスタッフ一同が努めている。今後もこの場が本物の日本茶をタイの人々に伝えるハブとなることが期待できる。

  

受賞者 (個人)

  Paula Braga Batista

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受賞タイトル

ブラジルにおける日本茶の普及活動

概要

2017年にブラジル州政府の飲料品質部門への配属に伴い茶に興味を持つ。2019年の初来日後は日本茶の研究に力を注ぎ、多くの人が彼女の対面及びオンラインの日本茶イベントに参加している。2021年にJICA奨学生として岡山大学大学に留学し、2023年に修士課程修了(修士論文:ブラジルの日本茶市場と日本茶企業の輸出戦略)。同年10月の帰国後はブラジルでの試飲イベントや教育講演を通じ日本茶普及に努めている。