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2023年 O-CHAパイオニア賞

茶に関する学術研究、関連産業、文化の更なる発展に寄与することを目的とし、優れた学術研究や振興、発展に寄与した産業技術、茶のある豊かな生活文化の提案、消費拡大等の優れた成果を、公益財団法人世界緑茶協会が顕彰しています。22回目となる2023年は下記のとおり決定いたしました。

2023年 O-CHAパイオニア賞 各賞受賞者

【学術研究大賞】

茶に係る優れた学術研究成果

受賞者 (個人)

荒木 琢也国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 本部事業開発部

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受賞タイトル

茶園用防霜ファンの節電型制御技術の開発

概要

防霜ファン設置高と樹冠面付近の気温差を稼働条件とした制御法を開発。これによりファンを効率的に稼働させることで、従来制御と同程度の防霜効果を維持しつつ生産費の低コスト化を図った。さらに、茶の防霜技術にとどまらず、昨今の地球温暖化、持続的農業の確立への貢献や、他作物の防霜技術への利用など、国が進める「みどりの食料システム戦略」に貢献し得る技術として、一層の普及が期待される。

 

【産業技術大賞】

茶の生産や消費に関する優れた技術や商品等の開発

受賞者 (個人)

松下 芳春松下園/代表

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受賞タイトル

先駆的な有機茶生産と新たな需要創出につながる商品開発

 

概要

先駆的に有機栽培に取組み、技術を確立。「美味しいお茶」を重視し、第75回全国茶品評会深蒸し煎茶の部では、有機茶生産農家で初めて最高位である1等1席を受賞。カフェや商品開発を通じ、新たな需要創出につながる茶の楽しみ方も提案。お茶カフェ「Tea timeまるは」の開設や緑茶原料の発泡性リキュール「ちゃんぱん」の開発・商品化など、その挑戦は歩みを止めることなく、今後もさらなる飛躍が期待される。

 

【文化・芸術大賞】 

茶の文化及び芸術に関する優れた成果

受賞者 (個人)

Robert Hellyer(ウェイクフォレスト大学/教授)

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受賞タイトル

日米両国の史料を基にした日米茶貿易史の研究

概要

海外で「JAPAN TEA」ブランドを構築したのは米国の茶商であることを明らかにするなど、輸出先の史料の検討も重要なことを示し、日本の茶業史研究に新たな方向性を提示。米国の人種偏見の歴史と日本茶受容の関わりや、米国への日本茶輸出が翻って昭和初期の日本での緑茶消費へ与えた影響なども明らかにした。また、来日中は多くの日本の研究者と交流し、今後の日本茶研究に対し多くの示唆を与えている。

 

【O-CHA特別大賞】 

茶に関する国際的な貢献や日本茶の普及等に係る優れた成果

受賞者 (個人)

村松 二六(紅茶生産者)

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受賞タイトル

優れた紅茶製造技術により生産者育成、消費拡大、地域振興に尽力

概要

静岡県、丸子の地で、多田元吉翁栽培の茶樹保存を図りながら、1989年に本格的に紅茶づくりに取り組む。アッサム系品種を無農薬栽培し、1996年に民間で最も早く「べにふうき」を導入。苦労の末、1991年「丸子紅茶」の名で販売開始。最も著名な国産紅茶ブランドに成長させた。その後も訪れる紅茶生産者に分け隔てなく製造技術を公開し、生産者の育成、消費拡大、地域活性化に尽力。まさに和紅茶黎明期のレジェンド的存在。

 

 【CHAllenge賞】 

茶の将来を牽引するような意欲的な取組み

受賞者 (個人)

 日野 朱夏(有限会社ファーム・ソレイユ東北 kitaha 企画・開発室/室長)

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受賞タイトル

東北の新たなお茶文化への貢献

概要

東日本大震災後、「次の世代に繋げられるもので、地域の為になることをしたい」との想いから、2014年に和紅茶開発に着手。石巻産である桃生茶を原料とした、東北初の和紅茶「kitaha」を2017年に販売開始し、2019年のG20大阪サミット首脳夕食会メニューにも採用された。現在は工場も新設し、原料生産から製品化まで全て石巻市内で行っている。バイタリティあふれる活動により、東北から茶文化が広がることを期待。

   

受賞者 (個人)

 Budoor Steele(Chawan Japanese Tea House/創業者)

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受賞タイトル

中東アジアへの日本茶、茶道、日本文化の紹介

概要

バーレーンにあるChawan Japanese Tea Houseの創業者。中東にある31軒のレストランとカフェに日本茶を供給。販売だけでなく、お茶の淹れ方やマナーを顧客に伝え、デザートとのペアリングメニューなども開発。日本茶と日本文化の魅力を伝えるため、中東を中心とした国々で日本茶のワークショップやお茶会を開催。バーレーン初の裏千家認定茶道家でもある。彼女の普及力で、今後も世界に日本茶の魅力を紹介してくれることを期待。

 

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2023年 O-CHAパイオニア賞表彰楯の授与(2023.5.26)