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東南アジアの食べるお茶

お茶を食べよう、こうすればお茶は食べられるなど、お茶の薬効が注目されるなかで、茶葉そのものを食べるためにいろんな工夫がこらされるようになりましたが、なかなか大ヒットを飛ばすところまではいかないようです。

ところが、中国西南部からタイ北部、ミャンマーにかけての一続きの地域では、お茶を漬け込んで発酵させ、そのまま食べる習慣があります。摘んだ茶葉を蒸し、竹筒や大きな籠などにぎっしり詰めこんで空気から遮断して自然発酵させた、いわばお茶の漬物、ということになります。

このお茶をミャンマーではラペソーと呼び、国内で広く愛好されており、盛りつけ専用の器もあります。それは真ん中にラペソーを入れ、そこから放射状に仕切りをつくっていろんな具をいれます。たとえばピーナッツ、にんにく、干しエビ、ゴマなどで、これらを適当にラペソーと混ぜて塩と味の素を加えてピーナッツオイルであえます。おかずにしてもいいし、食後に普通のお茶を飲みながら食べることもあります。町の中でもビニール袋に入れて売っています。

このような漬物茶の存在が知られるようになると、茶利用の始まりは、飲むのが先だったか、食べ物から飲み物に発展したのか、という議論が生まれました。しかし、飲用、食用、それぞれ別々に始まったとも考えられます。茶の原産地のあたりには数多くの民族が住んでいてそれぞれ

 異なった生活習慣を持っていましたから、茶の利用もそうした多様な文化の一つであったとすると、ぐんと理解しやすくなると思います。

(中村 羊一郎)

ミャンマーのラペソー