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茶の栽培適地

日本での茶の栽培は中国種が主であり、北は秋田県能代市から南は沖縄県にまで及んでいます。しかし、栽培適地の条件は、年平均気温12.5~13.0℃以上(長時間-15℃以下にならないこと)、年間降水量は1500mm程度(生育期の4~10月に1000mm以上)、表土が深く排水性が良く、pH4.5~5.0以下の酸性土壌が適しています。

以上の条件の中でも低温寡照の微気象を有する地域の茶が旨味や香気に優れるとされています。静岡の川根、京都の宇治、福岡の八女など銘茶産地として名高い地域はいずれも山間地で、低温寡照の微気象を有します。これは緑茶に限らず紅茶も同様です。全国における茶産地の地形的条件をみると平坦地は48%、傾斜地は52%で、この半分が標高200m以上の高地です。このような標高の高い寒冷地では品質優先の経営、平坦地の温暖な地域は中級茶量産で、機械化による省力経営にシフトしています。

(参考文献)

茶栽培全科 農産漁村文化協会

茶の全て 窪川雄介

茶の科学 村松敬一郎

(望月 康秀)

久野脇の茶畑(静岡県中川根町)