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釜炒り茶の作り方

緑茶はチャ生葉の酸化酵素の活性を不活性化させ(中国では殺青と呼称)、乾燥していくお茶です。酸化酵素の活性を不活性化させるには、蒸熱する方法(煎茶、玉露等)、熱湯で茹でる方法(低カフェイン茶)、釜で炒る方法(釜製玉緑茶、竜井茶等)の三方法があります。

緑茶が最初に中国で生産された戦国時代又は秦時代(紀元前250~200年頃)には、茹でる方法、蒸す方法でしたが、明時代に(1391年以降)釜で炒る方法に改められ、多様な香味が発現できる製法になりました。

釜で炒る茶の生産国は主として中国ですが、日本でも佐賀、長崎、熊本、宮崎で生産されています。その製法は中国から伝播し、嬉野製(佐賀、長崎)、青柳製(熊本、宮崎)になりました。嬉野製法は大きな釜を45度に傾けた斜め釜を用いることが特長であります。青柳製は嬉野製の釜より小振りで水平に釜を据え付ける方法で生葉を炒ります。機械化される前は釜と搓揉道具(台の上に筵状ものを置き、その上で炒り葉を揉む)を用い手製で仕上げる製法でありました。

現在では製茶機械化が進み、茶業試験場では可変型炒り葉機、締め炒り機をメーカーと共同開発しました。また、釜炒り茶を生産する九州では佐賀県を中心に連続型炒り葉機が普及されています。釜炒り茶の製法は生葉をやや萎凋させ、その後、炒り葉、揉捻(ねん)、乾燥である。玉のように整形をする場合は、揉捻後、水乾機、締め炒り機で形状を整えます。

(高橋 宇正)

上から可変型炒り葉機/締め炒り機/中国茶 炒青茶(揉捻後乾燥)/中国茶 珠茶(水乾機、締め炒り機使用)