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ブレンドの意味

ブレンドは、いろいろな茶を混合することにより、単品茶では得られない香味を創り出し、嗜好の多様化への対応と消費拡大を図るために行われます。例えば、山間地の茶は一般に香りが高く、平坦地の茶は滋味が濃厚であるといわれています。これら両地の茶を適宜ブレンドして香気と滋味のバランスのとれたものに仕上げることです。この作業は、主に茶問屋や茶商の立場で行われており、その問屋特有の商品として、伝統的に取り扱われ「のれん」となっているものです。従って、このブレンド技術は品質向上と同時に価格決定の基礎にもなりますので仕上げ加工の重要なものとなっています。

茶業試験場では、品種茶のブレンドによる香味改善について試験を行っています。「やぶきた」に、「ふじみどり」「さやまかおり」など香味に特徴ある品種をブレンドした結果、牧之原産では「ふじみどり」中川根産では「さやまかおり」を「やぶきた」にブレンドすると比較的品質が優れる傾向ありました。ブレンドの比率は「やぶきた」80%にその他の品種20%程度が優れました。また、山間地に適した品種の選定を図るため、特有な香りをもつ「かなやみどり」、外観に青みがあり、明るい水色の「おくみどり」など4品種について「やぶきた」とブレンドし、市場性を調査しています。茶商の評価では、全体的にブレンドの効果として滋味に『やわらかさが生ずる』ことが揚げられており、香味改善が図られています。

このようにブレンドは、味は良いのだが、香りが薄いとか、香りはまあまあだがどうも甘みが無いというような難点をカバーするため、いくつかのお茶を混合し、満点に近い香味を創り出すものです。

(参考文献)

(1)静岡県茶業試験場研究報告 第7号

(2)静岡県茶業試験場昭和61年度試験研究成果の概要集

(3)松下 智 :日本茶、美味しさを究める 雄鶏社

(澤村 章二)

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