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煎茶の味は、渋味とうま味が調和し、後味に清涼感を与えるものがよいとされています。
日本茶には、玉露、煎茶、番茶、ほうじ茶などの種類がありますが、いずれの茶にも味成分として、苦渋味のあるタンニン(カテキン)、苦味のあるカフェイン、うま味、甘味のあるアミノ酸、甘味のある糖類などが含まれています。
そして、煎茶では、タンニンの苦渋味とアミノ酸のうま味のバランスが重要と考えられています。
玉露や上級煎茶のような高級緑茶は、アミノ酸を多く含み、うま味が強いことが尊重されますが、番茶やほうじ茶のような大衆茶では、アミノ酸は、もともと少量しか含まれていませんので、飲んだ時にあっさりした渋味と清涼感が感じられればよいとされます。
そのため、上級煎茶では、70度程度のぬるめの湯を使用して、高温でないと溶出されにくいタンニンの溶出を抑え、低温の湯でも溶出されるアミノ酸のうま味を発揚するようにします。
また、湯量に対する茶の量を多めにし、浸出時間もじっくりと2分かけて濃いめにだし、1人当たりの液量は50ml程度にします。
一方、並級煎茶では、90度程度の湯を使用してタンニンの溶出を促進します。ただし、湯量に対する茶の量は少なめとし、浸出時間も1分と短く、ややうすめのタンニン濃度でさらりとした浸出液にします。1人当たりの液量は、上級煎茶より多い80ml程度とします。
(中川 致之)
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