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水によって違うお茶の味

昔からお茶に合う水は軟水だといわれてきました。水の硬度は、水中のカルシウム塩とマグネシウム塩の総和を炭酸カルシウムの量に換算した値で示します。水1リットル中に炭酸カルシウムが1ミリグラムあるものを硬度1とします。そして、硬度200以上を硬水、硬度100以下を軟水と呼んでいます。

日本の水の硬度は20~80程度のものが多く、ヨーロッパの水は200~400のものが多い。また、沸騰させると硬度が下がる一時硬水と、ヨーロッパの水のように沸騰してもあまり下がらない永久硬水とがあります。

軟水でお茶を入れると、茶の成分がよく抽出され、旨味、渋味、苦味がバランスよく出て、日本茶本来の味を引き出します。しかし、硬度が低すぎる(10以下)と、苦渋味を強く感じるようになり日本茶には適さなくなります。日本茶には、硬度50~80程度の水が適しているようです。

一方、硬度300程度のヨーロッパ産のミネラルウォターも日本の緑茶に適しているものがあります。茶から出てきたシュウ酸が水の中のカルシウムと結合し、渋味がなくなり、まろやかな味に変わって飲みやすくなります。このようなボトルに入った水は世界各国で売られているので容易に手に入れることが出来ます。海外旅行で持参した日本茶を美味しく飲みたいときに役立ちます。

お茶は水によって驚くほど味が変わることがあります。水を替えてお茶を味わうのも日本茶の楽しみ方のひとつです。ただし、硬度が高すぎると、味は淡白になり、水色は無色に近くなります。紅茶では軟水がよく、300程度の硬水だと水色が暗色になります。ウーロン茶は比較的水の影響は受けにくいようです。いずれにしろ日本の水は各種のお茶に相性がよいといえます。

(小泊 重洋)