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血圧調整効果

遺伝的に高血圧を発症し易いラット、SHR(Spontaneously Hypertensive Rat)をA,B 2群にわけ、A群のラットには普通食を、またB群のラットには、それに粗カテキンを0.5%加えた”カテキン食”をそれぞれ与え、16週令の時に、両群に与える食事を交換して引き続き飼育した結果、図1の結果が得られています(原、外岡、栄養食糧学雑誌 43,345(1990))。

すなわち、カテキンの添加によってSHRの血圧上昇が有意(P<0.05)に抑制されていることがわかります。また、脳卒中を発症し易いSHRSP(SHR-Stroke Prone)での同じような実験で、脳卒中を発症し、死亡する例が減少し、全体的にラットの生存期間が15%以上延長することが認められています。このようなカテキンのラットに対する血圧上昇抑制あるいは降圧効果はヒトでも認められ、最高、最低血圧のいずれもが低下することが確認されています(Kanaya,S.etal.,Proc.Int’l.Symp.TeaSci.3141991)。

茶葉をつんだ後、嫌気状態で約5時間保存してから製造される、いわゆる“ギャバロン茶”では、カテキンの他に、血圧上昇抑制作用を有するγ-アミノ酪酸(γ-Amino Butyric Acid,GABA)の含量が、150mg%以上と、普通の緑茶の10~数10mg%に比べ高く、血圧上昇抑制効果が高いといわれています。(大森ら、日本農芸化学会誌61,1449‐1451(1987))。

(富田 勲)

血圧上昇抑制効果 (画像をクリックしてください)