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コレステロール調整効果

コレステロールを多く含む餌(1%のコレステロールと15%のラードを含む)を与え、4週間飼育したラットでは、通常の餌を与えて飼育したラットに比べ、血中のLDL(低比重リポたん白質)コレステロールが有意に上昇し、HDL(高比重リポたん白質)コレステロールがやや低下します。上記の高コレステロール食に緑茶カテキンを1%添加した餌で飼育したラットでは、この血中LDLの上昇が抑制されることが明らかにされています(Muramatsu K.etal.,J.Nutr.Sci.Vitaminol 32,613,1986)。

LDLコレステロールとHDLコレステロールが、夫々悪玉および善玉コレステロールといわれるのは、前者がコレステロールを動脈壁に運び、動脈硬化を引き起こすもととなり、後者は過剰のコレステロールを動脈壁から肝臓に運ぶ役割を担っているためです。

一方、最近の研究では、 LDLそれ自身より、LDLが血管の組織内で酸化を受けることが問題で、酸化を受けたLDLはマクロファージ(貧食細胞)に際限なく取り込まれ、これが動脈硬化の発症を引き起こすもととなると云われています。

緑茶のカテキンがin vitroの実験で、LDLの酸化を遅延させることが明らかになっていました(Miura S.et al.,Chem,Pharm,Bull,17,1567-1572,1994)が、最近、緑茶カテキンを1週間(480mg/日/成人)摂取したヒトの血中LDLの酸化は、カテキンを摂取しなかった前のそれに比べ、約15分遅延されることが証明されました(Tomita T.et al., Klumer Acad/Plenum Publ. NY,1999,P 471-482)。

(富田 勲)

血中LDLの被酸化性の比較 (画像をクリックしてください)