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種々の植物中に広く分布する配糖体(糖と糖でない分子が結合したものです)の一群で、せっけんのように著しく泡立つコロイド水溶液をつくるものの総称です。
代表的なものに、大豆サポニン、ビートサポニン、ほうれん草のサポニンなどがあります。
サポニンを含む植物は、旧くから鎮咳、去痰剤、あるいは、洗浄剤、起泡剤として使われ、日本でも「古事記」や「万葉集」に「さいかち」を洗剤として使用したことが書かれています。
茶種子には、サポニンが多量に含まれていますが、1901年、Wellの研究以来、多くの人々によって研究が行われています。また、ティーサポニンといわれて、界面活性剤(乳化剤)として、写真工業で利用されていました。茶種子には、十数%程度含まれていると推測され、害虫のナミ
ハダニの密度抑制、海洋付着生物のフジツボに対する忌避効果などの生物活性があることが報告されています。
茶の葉に含まれるサポニンは、少量であり、1938年、町田が緑茶から結晶として得たと報告しているだけでしたが、1971年、橋爪により、種子とは違う構造のものであること、強いえぐ味があることが明らかにされました。また、1995年、北川が、さらに、新しい形のサポニンが葉にあり、抗炎症などの作用があると発表しています。
(中川 致之)
上:茶種子サポニン類の効果/下:茶炭ソ病防除効果 (画像をクリックしてください)