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さえみどり ─ すぐれた品質で面積拡大中の早生品種 ─

品質特性

「さえみどり」の魅力は何といってもそのすぐれた品質にあります。外観は、色沢が明るい冴えた鮮緑色です。香気は上品な芳香です。滋味は、渋味が少なく、うま味があります。早生品種の中では抜群で、両親の「やぶきた、あさつゆ」と比べても、少しもひけをとりません。

栽培上の注意点

早生品種の宿命ですが、晩霜害を受けやすく、その後の回復もよくありません。耐寒性は強い方です。幼木期は、風の強いところは防風対策が必要です。耐病性は、炭そ病については中、輪斑病については弱ですので、発生地域では防除の必要があります。収量は、抜群に多くはありませんが、芽数型で、早生品種の中では安定しています。

加工上の注意点

水色は、普通蒸しの場合、やや赤味を帯びることがあります。少し深蒸しにすると、きれいな緑色になります。

普及および栽培適地

「さえみどり」は、当初は南九州を中心に普及しました。鹿児島県での栽培面積は、一九九八年の調査で、すでに九九haです(水流氏、本誌昨年五月号)。現在は静岡県、近畿地方でも栽培面積が増えています。一昨年ぐらいから、本誌にも、ぞくぞくと導入例が紹介されています。鹿児島県、宮崎県、静岡県などで、ブレンドせずに単品として販売される例も出てきました。

月刊「茶」(社団法人静岡県茶業会議所)より転載

(池田奈実子)