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優雅なアフタヌーンティー

アフタヌーンティーと聞けば、多くの人は三段のケーキスタンドにスコーンとサンドウィッチ、ケーキがのって運ばれてくる。そしてポットにたっぷりとおいしい紅茶が入ってティーカップに注がれる。そんなゆったりとした優雅なティータイムを思い浮かべられると思います。しかし、すべてのイギリスの人がそんな優雅なティータイムを持っているのでしょうか?

その昔、日本の茶の湯にあこがれてイギリスの上流階級ではサロン的なアフタヌーンティーが開かれていました。高価なテーブルウェアや特別の道具を使って。今でも、カントリーサイドの素敵なホテルやティールーム、そしてロンドンのホテルなどで楽しめます。そして正式な社交界ではアフタヌーンティーが開かれています。英国の女王陛下主催の場合など、社交界にデビューを果たすエレガントなアフタヌーンティーのスタイルもあるそうです。とっても素敵なお部屋の中で、または天気がいい日にはガーデンで……。素敵なティータイムはあこがれますよね! でもこんな優雅なアフタヌーンティーだけがアフタヌーンティーではありません。週末に自宅で近くの友人や家族と一緒にホームメイドのケーキとクッキーだけで、またティールームや家庭でたった一枚のビスケットやケーキだけでお茶を飲むのもアフタヌーンティーと呼ばれています。

またティールームに行けば、ランチタイムから午後のメニューとしてアフタヌーンティーの看板を出したりします。午後お茶を飲むことを単純にアフタヌーンティーと呼んだりするのです。お茶の時間はむしろその形式よりも、友人や家族とのコミュニケーションを図ることが目的といえます。

三段のケーキスタンドは昔貴族の館のドローイングルームと呼ばれていたところでお茶会を開いていたため、小さなテーブルの上にティーフードがのらなかったのでこのケーキスタンドが使われました。ですからお家で大きなテーブルの上でティーパーティーをする時は使う必要がありません。アフタヌーンティーの本場のイギリスでも、T・P・Oに合わせて使っています。たった一枚のクッキーがあれば午後のお茶会を開くことができるのです。もっと気軽にお茶を楽しめるように、イギリスを見習いたいものです。

(松宮 美恵)

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