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フランス人と茶

「紅茶というとイギリス」と言う方が多いのですが、実はフランスにはイギリスより早くからお茶が運ばれていました。

1671年、フランスのマルセーユに初のカフェができました。それから15年経ってからパリにもカフェができています。1669年太陽王ルイ14世がトルコ大使の影響でコーヒーに親しむようになり、コーヒーがエキゾチックな飲み物として知られるようになりますが、その一方、ベルサイユ宮殿で世界的に知られているルイ14世の宰相マゼランは、病気のため体にいいとされたお茶を一日何杯も飲んでいたと言われています。

フランスのお茶の歴史から切り離せないのは、このルイ14世の使いとして1660年にNICOLAS MARIAGEがペルシャやインドなど東方の国々に派遣され、その子孫が1854年にお茶を扱う店(現在の「マリアージュ」)をはじめたそうです。

18世紀にはフランスも東洋に行きお茶の輸入をはじめました。はじめの頃は緑茶を扱い、19世紀から紅茶に変わっていきました。はじめは薬として緑茶を飲んでいましたが、19世紀以降は味、香りの点で紅茶が好んまれるようになりました。

サロン・ド・テと呼ばれるお茶を飲むところは、コーヒーショップと違って女性が集まるようになりました。つまりお茶の文化は存在していた。だからこそ「サロン・ド・テ」という名前が今でも残っているのです。 この頃、お茶の値段はコーヒーに比べて大変高く、貴族の人々のみが飲むことができました。その点コーヒーはお茶に比べて安かったのです。これはフランスの植民地に紅茶がとれる国が少なく、コーヒーが作られている国が多かったからです。そんな背景からいつのまにかフランスはコーヒーの国となりカフェ文化の国となりました。

しかし1990年頃にフランスの中でフレバリーティーが流行し、お茶が楽しまれるようになってきました。現在では、たくさんの種類のお茶が飲まれていますが、そのことがいかにもフランスらしい印象を与えています。そしてあまり型にはまらない、いろいろなお茶の飲み方がパリのなかで存在しています。

(松宮 美恵)

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