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いろいろな茶会と茶席

茶の会には、客を案内する時刻によって、暁、朝、正午、飯後、夜咄、不時、跡見の会があり、これを茶事の七式と呼んでいます。また、名残り、口切り、初釜(稽古初め)、除夜釜などの他、季節や目的に応じた茶会があります。

  • 暁の茶事:炉の季節(冬)に行われる極寒の朝の茶事で、夜明けの風情を楽しみます。暗い内に客を迎えることから、夜込めの茶事ともいわれます。
  • 朝茶事:風炉の季節(夏)に行われる茶事です。酷暑の頃に早朝の爽やかさを楽しむために開かれます。懐石は一汁二菜の簡素なものとします。
  • 正午の茶事:最も基本となる茶事です。四季を通じて行われ、客の案内は正午に行われます。炉の季節と風炉の季節では少し手順が変わります。
  • 飯後の茶事:菓子の茶、あるいは時外れの茶とも云われます。食事の時間を外した菓子だけの簡素な茶事です。
  • 夜咄の茶事:冬の夕刻に始まります。燈篭、手燭、短檠などの灯火の道具を使った風情あふれる茶事です。
  • 不時の茶:通常の茶事、茶会は日時を定めて客を案内しますが、突然訪れた客をもてなすのが不時の茶です。有り合わせを見繕って臨機応変に行います。
  • 跡見の会:朝の会や正午の会に都合で参加できなかった客や、招待されなかった客の申し出によって、同じ道具組で行う茶会です。
  • 大寄席の茶会:茶事は一般に小間を用いて少人数で行われますが、市民茶会などに代表されるように、多数の客を一同に集めて行われる茶会が盛んになりました。近年は茶会といえばこの大寄席をさすことが多くなりました。花の会、納涼茶会、月見の会、雪見の会、など季節や所に応じた茶会が各所で開かれています。
  • 茶席(茶室):茶会は何処ででも行うことができますが、茶事や茶会を行うための専用の施設として建築されるのが茶室です。茶室は四畳半を基準とし、大きい部屋を「広間」、小さい部屋を「小間」と呼びます。四畳半は、道具の置き合わせや使い方によって、広間としても小間としても使われます。この他、小間と広間を結ぶ「鎖の間」と呼ばれる部屋があり、やはり茶事の流れの中で用いられます。そのほか明治以後に椅子を用いた茶会の形式(立礼)が考案され、そのための茶席(立礼席)も造られるようになりました。

(参考文献)

茶道大辞典 井口海仙他著 昭和50年 淡交社

(小野 はやを)

寺院の茶会:老若男女を問わず、参拝者は住職の法話を聞いて一服の茶を頂く。